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新生活

【普通借家契約と定期借家契約】引っ越しにおける疑問?

みなさんは住んでいる賃貸物件の契約内容をきちんと把握されていますでしょうか?

私が引っ越しをするにあたって違和感を覚えた一つに「普通借家契約」「定期借家契約」がありましたので、今回はこの違いについて実体験を交えて解説していければと思います。

普通借家契約とは?

普通借家契約とは、日本で一般的に行われている最もスタンダードな賃貸借契約の1つです。

具体的には下記の通りで、契約期間に関しての上限はなく当事者が自由に決めることが可能です。

ただし、1年未満の期間設定はできず、仮に契約書上1年未満としていた場合でも法律上は期限の定めのない契約となります。

普通借家契約においては貸主からの解約や更新拒否に関しては正当事由が必要とされています。

・期間の定め

 当事者が自由に設定できます。ただし、1年未満の期間は設定できません。

・契約形態

 制限なし。ただし、宅建業者が媒介する際は宅建業法第37条書面の交付が必要です。

・期間内解約の法律上の定め

 原則、契約期間中の中途解約は不可ですが、賃借人からの解約については賃貸借契約書に定めがあれば、その条項に基づき解約する事ができます。

 賃貸人からの解約は、仮に契約書に特約があっても、「6ヶ月前の解約に関する通知」をしていない、「正当事由」が無い場合は、途中解約はできません。

・更新

 賃借人が希望する限りは、更新することが原則となります。

 当事者が期間満了の1年前から6か月前に更新しない旨の通知をしなかった場合は法定更新となります。

出典元:京都府宅地建物取引業協会 Q&Aより

定期借家契約とは?

定期借家契約とは、近年では普及しつつある賃貸借契約で、同じ物件に住める期間が決まっており、契約に更新がない点が1番の特徴の賃貸借契約です

具体的には下記の通りで、

まず契約方法の違いとしては普通借家が「書面でも口頭」でも良いのに対し、定期借家契約では「公正証書等」による契約が必要となります。

また、借主に契約書とは別に「契約の更新がないこと等」の説明書面を借主に交付することが必要となります。

中途解約に関しては、200平方メートル未満の住宅に居住している借主には、やむを得ない理由があれば中途解約権があるので中途解約を行うことが可能です。

契約期間通りに貸主が契約を終了させるには、契約期間満了の1年から6ヶ月前までの間に、借主に対して契約終了の通知を行う必要があります。

これだけを見ると定期借家契約では決められた期間のみしか滞在ができず、すぐに次の住居を探す必要があると捉えられがちですが定期借家契約にも2パターン存在します。

1つ目は「終了型」と2つ目は「再契約型」です。

終了型については、決められた期間のみの滞在になりますので、期間が満了すると次の居住地を探す必要がありますが、再契約型では、貸主と借主の双方が合意した際には再度契約を結び直し同じ物件に居住することが可能となりますので注意しておきましょう!

契約期間の満了によって賃貸借関係が確定的に終了する借家契約。借地借家法に基づく契約類型である。

一般の借家契約は、借り主を保護するために、貸し主は正当事由がない限り契約の更新を拒絶できないとされているが、定期借家契約においてはそのような制約がない。

定期借家契約を締結するには、次の要件を満たさなければならない。

1)契約期間を確定的に定めること

2)公正証書による等書面によって契約すること

3)貸主が借主に対して、契約の更新はなく期間の満了とともに契約が終了することを、あらかじめ書面(契約書ではないもの)を交付して説明すること

中途解約の可否等は特約で定めることとなるが、やむを得ない事情により生活の本拠として使用することが困難となった借家人(床面積が200平方メートル未満の住宅に居住している借主に限る)は、特約がなくても中途解約ができる。また、契約を延長する場合は、当事者双方の合意による再契約が必要である。

また、契約は期間の満了によって終了するが、期間が1年以上の場合は、賃借人に対して、期間満了の1年前から6ヵ月前までのあいだ(通知期間)に契約が終了する旨を通知しないと強制力が働かない。ただし、通知期間後に契約終了の旨を通知すれば、通知後6ヵ月を経過したあとは契約の終了を強制できる。

定期借家契約は契約更新が無い契約であるから、契約を延長する場合は、当事者双方の合意による再契約が必要である。

なお、賃料の改訂に関して特約があれば、借地借家法に定める家賃増減請求権の規定(契約条件にかかわらず、税負担等の増減、経済事情の変動、近傍家賃との不相応による家賃改訂を請求することができる旨の規定)は適用されない。

出典元:at home 用語集より

それぞれのメリット、デメリットについて

ここでは「入居者」「大家」「不動産」の3つの視点から見るメリットとデメリットをお伝えしていきます。

■入居者

メリット

・良好な住環境が確保される

デメリット

・終了型の場合は契約が満了すると次の居住地に移る必要があるため滞在が落ち着かない

・再契約の際に家賃を値上げをされる可能性がある

など

■大家

メリット

・不良入居者を期間満了で退去させることができる

・家賃の改定が簡単にできる

・物件の良好な住環境を保つことができる

・契約期間を自由に設定出来る

デメリット

・不動産から抵抗にあいやすい

など

■不動産

メリット

・不良入居の抑止になる

・理不尽なクレームの抑止になる

・不良入居者を期間満了で退去させることができる

デメリット

・手続きが普通借家契約よりも繁雑

・借主の抵抗にあいやすい

など

実体験

上記を踏まえて借主としての1番の疑問は

「長く住みたいという希望がある中で定期借家契約で良いのか?」

だと思います。

実際私も契約の前に悩みましたが、

居住している層がファミリー層であったり、不動産から「定期借家が理由で終了となるケースは現状ほとんどなく、再契約型が主」とのことでしたので契約を行うことを決めました。

友人の話では契約時にきっちり終了型のケースもあるみたいですので、契約前にしっかり確認しておいた方が良いでしょう。

実際住んでみて感じることは、メリットにもあったように良好な住環境が保たれていることです。

具体的には、隣人間のすれ違いの際の挨拶であったり、ゴミ出しにおいて分別がしっかりなされていることからゴミ出し日以外ゴミが置かれていない点です。

騒音もなくとても生活しやすい環境が保たれているなーと実感しています。

懸念としては、デメリットにもあるように再契約時に値上げされるリスクや大家都合で終了型にされるケースが考えられるため、そのようなことになった際は定期借家に関する印象も変わってきそうですが、そうならないことを願っています。

まとめ

以上を踏まえて、「普通借家契約」と「定期借家契約」の違いの注意点をまとめました。

正しく理解しライフバランスと相談しながら許容できる範囲での選択を心がけると良いでしょう。

普通借家と定期借家の違い

違い 普通借家 定期借家
書面作成 契約の際に書面は不要だが、実務ではほとんどが書面を作成していることが多い。 公正証書等による契約が必要。契約書とは別に契約の更新がないこと等の説明書面を借主に交付して説明することが必要。
契約期間 自由だが、1年未満だと契約期間の定めのない契約となる。 自由だが、契約期間が1年未満の場合は、借主に対する契約終了の通知が必要となる。
中途解約 特約で定めていることが多いため要確認。 やむを得ない事情がある場合に200平方メートル未満の住宅に住んでいる借主には認められている。
更新 貸主に正当事由がない限り、更新される。 更新なし。貸主と借主の合意で再契約は可能。
解約・契約終了 貸主に正当事由が必要となる。 原則、契約終了の1年前から6ヶ月前までの間に、借主に対して契約終了の通知が必要。